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『若者のすべて デジタル完全修復版

(179分)

ROCCO E I SUOI FRATELLI

1960年/イタリア=フランス/179分/モノクロ/ヨーロピアン・ヴィスタ/モノラル

出演:アラン・ドロン、レナート・サルヴァトーリ、アニー・ジラルド、他

原案:ルキーノ・ヴィスコンティ、ヴァスコ・プラトリーニ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ

脚本:ルキーノ・ヴィスコンティ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、

マッシモ・フランチョーザ、エンリコ・メディオーリ

撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ 音楽:ニーノ・ロータ

日本初公開:1960年12月27日(イタリフィルム配給 旧・日比谷映画劇場)

完全版/1982年6月8日(東宝東和配給 俳優座劇場)

《本完全修復版について》

この「179分完全修復版」は、マーティン・スコセッシ設立のザ・フィルム・ファンデーション

とグッチの資金提供によりフィルムを4Kで修復、2015年に完成した「デジタル4Kリマスター版」です。

2015年第68回カンヌ国際映画祭カンヌ・クラシックスにてワールドプレミア上映。

【今回、劇場での上映は4K完全修復版マスターから変換した2K上映となります。】

 父親を亡くし、母親に連れられて貧しい南部の農村ルカーニアから北部の大都市ミラノに移住した大家族。

 その五人兄弟が辿る運命を通して、イタリアの南北問題と人間の弱さが残酷なまでに浮き彫りになる。

ヴィスコンティの重要なモチーフである家族崩壊を、重要な特徴であるスター主義でドラマティックに描いたこの一大叙事詩は、ネオレアリズモの最後の作品となった。前期の集大成であるこの作品に、本人は後年深い愛着を示している。

​キャスト  

アラン・ドロン ALAIN DELON

​(パロンディ家三男 ロッコ)

1935年11月8日生まれ。フランス、オー=ド=セーヌ出身。

幼少の頃、父を亡くし17歳で海軍に入隊、インドシナへ赴任。除隊後、世界各地を放浪し職を転々とする。56年にフランスに戻り、カンヌ国際映画祭を訪れたことがきっかけで、イヴ・アレグレ監督『女が事件にからむ時』で映画デビュー。『お嬢さん、お手やわらかに!』(58)で人気が上昇、同年『恋ひとすじに』で共演したロミー・シュナイダーと婚約するが、それを破棄してナタリー・バルテルミー(後のナタリー・ドロン)と結婚。『太陽がいっぱい』(60)で爆発的人気を得てトップスターへと成長する。同年、ヴィスコンティが『若者のすべて』に起用し、高い評価を得た。以降、『太陽はひとりぼっち』(62)『地下室のメロディー』(63)などで活躍、63年には『山猫』でヴィスコンティと再び組んだ。64年、ハリウッドに招かれて渡米。帰国後、『サムライ』(67)『ボルサリーノ』(70)『友よ静かに死ね』(76)などを発表し、ますます人気を得る。81年に『危険なささやき』で監督デビューを果たすなど精力的に活躍し、『ヌーヴェルヴァーグ』(90)『カサノヴァ最後の恋』(92)などでも幅広い演技を披露している。98年、ジャン=ポール・ベルモンドとの共演で話題となった『ハーフ・ア・チャンス』を最後に映画からの引退を表明。現在は舞台やTVドラマを中心に活躍を続けている。

アニー・ジラルド ANNIE GIRARDOT

(ナディア)

1931年10月25日生まれ。フランス、パリ出身。

パリのフランス国立高等演劇学校(コンセルヴァトワール)を首席で卒業後、1954年からコメディ・フランセ―ズの舞台に立ち、プロデビュー。57年まで劇団で舞台女優として活躍。55年に映画デビュー。フィルムノワールでの妖しい悪女を演じることが多かった。56年に最優秀新人としてシュザンヌ・ビアンケッティ賞を受賞。58年にヴィスコンティの舞台に出演したことがきっかけで、『若者のすべて』に出演。演技派女優としての評価が高まった。この作品で共演したレナート・サルヴァトーリ(二男、シモーネ役)と結婚。88年に死別するまで共に人生を歩んだ。60年代初めには、ヴィスコンティやマルコ・フェレーリらのイタリア映画に出演、60年代後半にはクロード・ルルーシュ作品に出演。70、80年代は幅広い活躍を見せ、2007年まで女優として数多くの作品を遺した。

2011年2月28日、アルツハイマー病のためパリで死去。79歳。

『郵便配達は二度ベルを鳴らす デジタル修復版

(126分)

OSSESSIONE

1942年/イタリア/126分/モノクロ/スタンダード/モノラル

出演:クララ・カラマイ、マッシモ・ジロッティ、フアン・デ・ランタ、他

原作:ジェイムズ・ケイン 

脚本:ルキーノ・ヴィスコンティ、マリオ・アリカータ、ジュゼッペ・デ・サンティス、ジャンニ・プッチーニ

撮影:アルド・トンティ、ドメニコ・スカーラ 音楽:ジュゼッペ・ロザーティ

日本初公開:1979年5月26日(インターナショナル・プロモーション配給 有楽シネマ)

《本修復版について》

この「126分修復版」は、現存する最良の35mmネガコピーと、近年発見されたオリジナル・ネガから現像されたポジフィルムを元に、CSC-CINETECA NAZIONALE(ナショナル・フィルム・アーカイヴ)と、Ripley’s Film、Viggoのコラボレーションにより修復され、2016年6月に完成した「デジタル2Kリマスター版」です。現時点ではこの「126分修復版」が最良の本篇となります。

 イタリア北部の田舎町、軽食堂兼ガソリンスタンドを営む初老の夫と女ざかりの妻。

 その気だるい日常は、若く逞しい流れ者が立ち寄ったことで破られた。オールロケで切り取られた風景の中、不倫関係に堕ちた男女のむせかえるような愛欲の行方が描かれる。

 上映禁止処分を受ける程に社会の現実を生々しくスクリーンに焼きつけ、ネオレアリズモの出発点と位置付けられたこの作品から、ヴィスコンティの監督としてのキャリアは始まった。

『揺れる大地 デジタル修復版

(140分)

LA TERRA TREMA (EPISODIO DEL MARE) 

1948年/イタリア/160分/モノクロ/スタンダード/モノラル

出演:アントニオ・アルチディアコノ、ジュゼッペ・アルチディアコノ、アントニオ・ミカーレ、他

原案・脚本:ルキーノ・ヴィスコンティ

撮影:G・R・アルド 音楽選曲:ルキーノ・ヴィスコンティ、ヴィリー・フェッレロ

日本初公開:1990年1月19日(日本ヘラルド映画配給 銀座文化劇場)

《本修復について》

この修復版は、CSC-CINETECA NAZIONALE (ナショナル・フィルム・アーカイヴ)と、Ripley’s Film、Viggoのコラボレーションにより、2016年3月に完成した「デジタル2Kリマスター版」です。

  シチリア、アーチ・トレッツァの漁村。

 ヴィスコンティは二作目で、仲買人たちに不当に搾取される漁師たちと、それに刃向ったがために崩壊するある家族の運命を描いた。

 撮影はオールロケ、全出演者を住民からキャスティング、台詞のシチリア方言には標準語字幕をつけるという徹底したリアリズムで、ネオレアリズモの頂点を極めた。だがそれは神話的風格、荘厳さすら漂う叙事詩となり、他のネオリアリズモ作品とは一線を画している。